聞かせてみせてよストラテジー
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「単純かつ、複雑」を書いたときに、うちに来てくれる人から「トラヴィアがいればニードは宿屋ちゃんとやってそう」といったお言葉を頂いて、それからずっと考えていました。トラヴィアが喜ぶためにニードが色々模索して、そうするとそれに従って宿屋の評判もUPするんですって。
おおお、確かに!!それは確かに!!元々彼が宿屋を始めたのは「好きな女の子の気を引きたい」とかいう不純な動機だったので、宿屋をがんばるのも「好きな女の子のため」っていうのはアリだな!大アリだな!って納得しました。
むしろ、トラヴィア視点でニードの宿屋に泊まりまくって感想を言いまくって宿屋を改善する、宿屋主人育成シミュレーションゲーム?みたいなのもおもしろいな!とまで思いました。それからさらに、これニード視点で、宿屋にやってくるトラヴィアのために色々がんばって、宿屋の評判も上げつつ好きな女の子もGET!みたいなシミュゲでもいいなーって思いました。(失敗すると、トラヴィアは宿屋に来なくなります。バッドED)
じっさいにゲームを作ったりまではできないけど、一枚絵だけ描いてネタにしたらおもしろいな!って思っていました。
こっからいつもの、深いところまでぐだぐだねちねち考えた話。
ただ、実際ネタにする段階になると、なんか違うな…って思ったのです。トラヴィアはたぶん、あんなしょぼい宿屋でも大好き!料理がまずくても布団にカビ生えてても、ニードが出迎えてくれるあの宿屋が大好きなんだろうな、と。
ニードが宿屋を立ち直らせて以降はまた別として、彼女はおそらく、言っちゃなんですが、ニードに「宿屋主人」としての期待は一切していないでしょう。天使としてウォルロを見てきた彼女は知っています、ニードの人間として足りないたくさんのものを。
ニード個人のことは好きだけれど、彼が人としてすばらしいかはまた別の話。何も考えていないようで考えている、あほならではの物を見る目、とかはニードってけっこうイケてるにしても、まあそれだけです。責任感はないし何をやらせても長続きしないしめんどうくさがり。(トラヴィアはそんな彼が好きなんですが!)
とうげの道道中を経て見直したからといっても、ニードはニードです。彼が宿屋を継ぐと言ったとき、確かにそれは素敵な申し出、リッカのためを思っているのねすてき!とは思ったかもしれないけれど、トラヴィアはニードに期待してはいません。
でもたぶんこれは無自覚な無期待です。トラヴィアにとって、ニードの宿屋がリッカの宿屋並みに「宿屋として」優れたものになるとは思い浮かびもしないことです。
ただニードが好き、ニードの宿屋が好き。それだけ。冒険のあいまに訪れれば友だちとして出迎えてくれる、だからトラヴィアはここをひんぱんに訪れます。
なので、果たして彼女は、ニードの宿屋に対する不平不満を口にすることが(ED前において)あるのか?と疑問になりました。
というわけで、トラヴィアが自発的にニードの宿屋に意見を言うような案はボツ。なんか紆余曲折を経て(すいませんはしょります…)こういうことになりました。
トラヴィアがニードにぶつぶつ言ってっていうのじたいは、凄くおもしろいと思ったんです!本当にありそうだし。ただ私が上述したような面倒なことを考えてしまったので、実際に起こったこととしては描けなかったんですが…。
ニードがトラヴィアのためにがんばって宿屋を立ち直らせるっていうの、これも凄くおもしろいと思うので描きたいです。本当はこれで描く予定だったですが、なんか描けなかった…。
書いていたら当初の予定を外れまくりました。最初はほんと、全部まんがの予定だったんですが、3P描いた時点で「これはまんがじゃ描けないな…」と思って文章にシフト。
気付いたら女神の果実収集完了後になっていました。このあとそのうち「remorse」に続きます。
あれはパーティメンバーたちをおもてに出した、トラヴィアの人間との別れでしたが、また別の面からのお別れも描きたいです。人間に多面性があるように。
ちょっと遠ざかりすぎたけど、でも結果としては、サイトに来てくれる人のお話からこの話は生まれました。さんくす!
またそのうち、トラヴィアのために宿屋をがんばるニードの話も描きます。
たぶんこの作品は、5月19日らへんに完成させました。