ニードとトラヴィア/序盤、ニード同行中のとうげの道にて

ぶきっちょな少年

「――くそっ! うまくすりゃ、親父のハナをあかしてやって、村のヒーローになれたってのに!」
 ニードの毒づく様子を彼の背後で聞いていたトラヴィアは、特にそれを気にかけたようでもなく、ごく自然に、彼に尋ねていた。
「ニード、あなたは英雄になりたいのですか?」
 意外、だったのだ。村の中で勝手気まま横暴に振る舞い、特に何かを考えているようにも見えなかった頭の悪そうなこの少年が、そのような願望を抱いていたなどと。
 ニードは何もかもが気に入らないような様子だったが、それでもトラヴィアに振り返り、質問には答えた。
「違う。英雄、だなんて、別にオレは、そんな大それたもんになりたいわけじゃない。」
 返ってきたのは否定の言葉。それを聞いてトラヴィアは、先程ニードの発した単語を口の中で転がした。ひーろー。単純な音が織り成す印象には現実味がない。
 ニードは語った。トラヴィアは黙って、それを聞いた。
「オレは村の厄介者扱いされてる。それはおまえも知ってるだろう? きっとリッカだって、散々オレのこと悪く言ってるんだろうし。
 でも違うんだ。オレはただ遊び呆けているだけじゃない。オレはほんとーにやりたいことを探してる最中なんだ! 他の奴らみたいに、何も考えないで親の仕事を継いだり、牛の世話をしたりするなんて絶対にごめんだ。オレはオレのやりたいことをやってやる。」
 その語りに様々な感想を抱きながら、主にトラヴィアはニードに感心していた。トラヴィアは彼に対して、上述した程度の印象しかもっていなかったのだ。そしてそれは今現在、徐々に塗り替えられつつある。
 そしてその隅で、トラヴィアはある思いに駆られた。身近な他者への感心は、最も身近な存在である自分を省みることを誘発する。――私はいったい、何をしたかったのだろう。天使としての誇りを失い庇護すべき人間に養われる。その中で私は何かを考え何かを為すことができていたのだろうか。このように実は真剣に物事を考えていた少年を、浅はかだなどと心中罵ってよかったはずがない。――
 トラヴィアはそれでも立ち振る舞いは一切変えずに、黙ってニードの話を聞いた。
「…オレは、村のためになることをして、親父のハナをあかしてやって、村のヒーローになりたかったんだ! ……だからせっかく、おまえを誘ってここまで来たのに、まさか、土砂崩れがここまでひどかったなんて…」
 ニードは圧倒的に立ち塞がる土砂の壁を前にして、俯いて舌打ちして、忌々しげに土を蹴った。だがしかし、その程度のことで崩れる程壁はやわなものではない。
 彼はまた、今度はゆっくりとトラヴィアに目を向けて、幾分か落ち着いた様子で話を再開した。
「……トラヴィア。よそもんのおまえだって、居心地の悪さは感じてただろ。村の奴らがおまえをなんて言ってたかも。これで土砂を何とかできてたら、村の奴らだって、おまえを認めざるを得なかったんだ。そんなおまえの面倒見てたリッカだって、陰口を叩かれることもなくなる。」
 突然話題が自分のことになり、少々驚いた気持ちでトラヴィアが目を丸くすると、話を一方的に終えたニードは溜息をついて、土砂を背にその場に座り込んでしまった。
 それから、動こうとする気配がない。立ち尽くして彼を見守っていたトラヴィアは、しかたなく、ニードと同様に土砂を背にして座った。彼の隣で膝を抱える。
「…………。」
「…………。」
 沈黙。
 それに耐えかねたのか、ニードは突然、トラヴィアに無理難題をふった。
「おまえもなんか話せ。オレばっかり話して不公平だ。」
「ええっ、……」
 トラヴィアはかえって閉口した。彼女は話を聞くのは得意だが、話をするのはどこまでも苦手だ。それに突然「なんか話せ」などと、せめて、題が定められているとかならまだしも……。
 沈黙したままやり過ごそうと考えたトラヴィアだったが、じっと睨むニードは本気である。テコでも動きそうにない。なのでしかたなく、なんとかして話題を考えた。
 幸いなことに、実際のところは彼女は話すこと自体は好きだったし、日頃から様々なことを考えてはいたので、トラヴィアが口を開くのにそう時間はかからなかった。
「ええと、あなたは今、村の人々の私に対する接し方とかに話題を広げましたが、私への接し方が最もひどかったのは、ニード、あなたですね。」
 トラヴィアに悪気はなかった。だが彼女の精一杯の話を聞いたニードは非常にしょっぱい顔をして、目を泳がせて、あーうーと唸って、最終的にはどなった。
「う、う、うるせー! そーいうことは今言うなっ、今っ! 今はオレとおまえは一緒に旅するあいぼうなんだから、そーいう細かいことは言及なしだっ!」
 話せと言われたから話したのに、それも事実を話したのに、内容にケチをつけられどなられる。これはトラヴィアには至って心外なことであった。心外なことであったのだが、ニードが「全く…」とか何とか呟きながらぶつぶつ言い出した直後くらいに、悪かったな、と小さく言っていたのを彼女は聞いてしまったので、なんとなくそういう細かいことに言及することはできなくなってしまった。
 だが彼の様子から察するに、トラヴィアはまだ別のことを話さねばならないらしい。同時にそう悟ったトラヴィアは話題を考えた。今度は、なるべくなら、彼を怒らせないようなことを……。
「私は驚きました。あなたは、なにも考えていないのかと思っていたのに。本当はいろいろと考えていたのですね。失礼な思い込みをしてしまって、ごめんなさい。」
「………オレのことはどうでもいいから! 自分のこと話せ!」
 今度はどなられることはなかったが、さらなる注文をつけられてしまった。素直な感想を述べただけだったトラヴィアは、それでも文句は言わずに、内心困りながらも従順に内容を考え始める。自分のこと。
 思えばトラヴィアは、自分のことなど師イザヤール以外の他人に話したことはなかった。リッカにだって、ただ名前を教えただけである。(それでも彼女は、得たいの知れないトラヴィアに非常に優しくしてくれた)
 人間に対しては、うかつに自分のことを話して「ボロ」を出さないほうがよいとの考えあってだったが、そもそもトラヴィアにとって、自身のことを他者に打ち明けるということは、どこまでも現実味のないことだったのだ。
 自分のことは、自分と、本当に大切な者だけが分かっていればよい。そう思っていたのだ。
 だがトラヴィアは今や、目の前のこのニードという少年に対して、なにか言いつけを拒否できないようなもの……たとえば罪悪感とか、恩とか、そういった類のものを抱いていたので、ただ簡単に「自分のことを話すのは、いやです」と拒絶するようなこともできずに、こうしてなんとかして自身を語る無難な話題を見つけようとしているのだった。

 実際のところ、これは彼なりの、ニードなりの譲歩であった。言い換えれば、仲良くなるきっかけづくり。
 村にいる間は誰よりもトラヴィアを敵視し彼女に冷たくあたっていたニードだったが、その根底にあるのは彼の舎弟の言うところの「ニードさんはなあ、リッカがあんたばかり構うのが気に入らなくていらっしゃるのさ!」という感情、いわゆる嫉妬というもので、実は彼にはトラヴィア自身には、何の恨みもなかったのだ。
 彼女を罵る上で使ったどんな言葉にも実際は中身などない。ただその場ででっち上げてよくも知らない他人にぶつけていただけだ。
 だからニードは、本当は、毎晩毎晩、彼がトラヴィアを傷つけた日はいつも、こっそり「悪かったなあ」と思っていたのだ。無表情な彼女がほんのちょっぴりそれを崩して悲しそうになるたびに、「あっ、今日は本当に傷つけちまった」と、実は反省してもいたのだ。(トラヴィアは無表情な少女ではあったが、毎日見ていたら何となく変化に気付けるようになった)
 だが不器用な彼にはそこで思いとどまることができなかった。そんな選択肢は最初からなかった。「村の厄介者」は、自分のしたことを反省して行動を改めるなんてこと、してはいけない。実際、リッカが彼女ばかりに優しくするから、それが気に入らなかったのは本当だったし。
 そう、彼女を拾ったのがニードの大好きなリッカだったから、事態は余計にややこしくなったのだ。でなければ、ニードもトラヴィアも、「村の厄介者同士」、すぐに仲良くなれたかもしれなかったのに。
 「リッカがトラヴィアばかりに優しくするから、気に入らない」のも本当で、「トラヴィアに構うとすぐにリッカが飛んでくるから、そのときだけはちょっと嬉しかった」のも本当で、その傍らで実は「トラヴィアに優しくすれば、また昔みたいにリッカと仲良くできるかもしれない」などと思っていたりも、したのだ。
 だから事態は余計に複雑だった。わけが分からなかった。最終的にニードは、「トラヴィアに冷たくあたる」という選択肢を、実行した。けれどもそこには様々な後悔がつきまとっていた。
 土砂崩れが起きて、そこに行きたいが、道中は危険過ぎる。それはニードにとって大きなチャンスであった。見事なまでに口実を作ってトラヴィアを連れ出すことができる。
 そしてこのとうげの道までの道中、決して長くはなかったその旅が彼の心にどのような変化をもたらしたのかは、ここでは詳細に述べることはしないが……、ニードは一歩、踏み出した。
 これは彼なりの、ニードなりの歩み寄り方だった。ニードはトラヴィアに近付こうとしていた。彼なりの不器用な方法で。

 そのような、実に複雑なニードの心境をトラヴィアが知る由もなく。ただ何となく、彼のぶっきらぼうだが真剣な瞳を見ているうちに嫌な気もしなくなったので、なんとか話題を思いついて口を開いた。
「私は、村の人々の態度はそこまで嫌なものとも感じていませんでした。彼らが私のことをよく思っていないのも、陰で悪く言っているのもよく知っていましたが、平気でした。…私がもともと住んでいた場所でも、かつては、そのような感じだったので。慣れています。」
 トラヴィアは、話すことは苦手ではあるが嫌いではなかった、むしろ好きだった。だが元来の消極的で周囲に流されやすい性質が災いして、口を開けば他者が喋る、もしくは他者の話題に流される、そんな結果にいつも終わってしまうのだった。
 様々なことを普段から考えてはいたが、それを述べる時間を作るということが、彼女にはできないのだった。
 だが現在は違う。ニードは彼女に「話せ」と言って、ところどころ頷きながら黙って話を聞いてくれていたので、トラヴィアは心置きなく話をすることができた。
 昔を思い出す。師イザヤールもかつては、そのようにして黙ってトラヴィアの話を聞いてくれたものだった。そのときはトラヴィアは、非常に心地良く自身の考えを述べることができた。
 同時に思い出す。彼女がイザヤールの弟子となる前、常に単独で行動してただ黙々と責務を果たすだけだった見習い天使に、周囲が向ける目は決して好意的なものではなかったことを。
「野生の動物は、未知のものを警戒します。人は集団を作り文明を築いて生活しますが、その中に眠る本能は野生のそれと同じ。知らないものを警戒するのは、当然のことです。
 私はウォルロにとっては異邦人です。大地震の直後、村の中が少なからず混乱する中で突然現れたのですから、少々過剰に警戒してしまうのも、しかたのないことでしょう。」
 これは事実だった。トラヴィアは村人からあまり喜ばしくはない歓迎を受けていたが、それは彼女にとっては特に意に介するほどのことでもなかった。彼女を養ってくれるリッカは彼女にどこまでも優しかったので、リッカがどうこう言われることだけは、少々気にかかることではあったが……まさに、それだけのことであった。トラヴィアは、トラヴィア自身がどうのと言われることは、何ら構わなかった。実に、「どうでもよかった」。
「それに、まことしやかに囁かれていることも、あながち間違いではないのだし。」
 「まことしやかに囁かれていること」、それは、トラヴィアがウォルロ村に不幸を運んだのではないか、あの大地震を起こしたのではないか、ということだ。
 事情を何ら知らない人間達にしてみれば、正に、謂れのないめちゃくちゃな噂ではあったが、トラヴィアは人間ではない。天使である。あの大地震は、天使界を謎の光が貫いたときの副作用のようなものだ。いったい何が起こっているのか、何が原因なのか……それはトラヴィアには定かではなかったが、大地震にトラヴィアが関わっていないとは言い切れない。
 あの光は天使界を、「トラヴィアが果実を世界樹に捧げた直後に」貫いた。誰がやっても同じだったとしても、あのとき果実を捧げたのはトラヴィアなのだ。それは確かなことである。
 トラヴィアは若干視線を俯けてそう言った。するとそれまで黙って話を聞くだけだったニードが、声を荒げて言った。
「色んな原因がおまえだってことか? ばっかじゃねーの、んなわけねーだろ!」
 あんな大地震が人間に起こせるわけがない。ニードはそう言い切った。どこか達観したような気持ちでトラヴィアはそれを聞いたが、すぐにあることに思い立ってニードに尋ねた。それは自然な、今までのトラヴィアには師イザヤールに対してしかできなかった、自然な会話の運びだった。
「……あなたは、私が村人にどう言われていたかを知っていたのですね。」
「あ、」
 しまった、というふうにニードが口を覆う。トラヴィアは続けた。
「私は私が陰でされていたことを誰にも言っていません。リッカにも。…村の雰囲気から、事情を大まかに察することは可能でしょうが。それでも村の人々の行為は陰湿なものでしたから、その詳細を知ることは簡単ではないでしょう。
 ええ、確かに私は、あの大地震を起こした原因ではないかと言われています。それをあなたは知っていたのですね。」
「…………ああ、確かにな。」
「驚きました。あなたがそこまで村のことを、…私のことを、見ているなんて。」
 新たな発見をした喜びに満たされて、トラヴィアは不機嫌そうな顔をするニードに構わず話を続ける。
「今、私のことを最も見ているのはあなたかもしれませんね、ニード。あなたは先程、私のことにまで話を広げました。この土砂を片付ければ、私も村の中で認められるに違いないと。自分だけでなく、私にまで気をまわしてくれました。
 ニード、あなたは本当は、心優しい少年なのですね。」
 トラヴィアはここ数日なかった程の明るい声で、明るい表情で、活き活きと話した。これが彼女の持つ本来の性格だった。彼女は話すことは好きなのだ。ただ苦手なだけで。
 彼女が感動のままにニードの両手を取ろうとすると、彼女の話を聞くばかりだったニードがやっと我にかえって、その手を乱暴に振り払った。
 直後に乱暴な言葉をぶつけようと彼は口を開いたが、すぐにそんな力は失って、全く迫力なしに言った。
「ばっ、…ばかやろー……。オレはそんなに優しかねーよ。ぜんぶ自分勝手にやってるだけだっつーの。」
「素敵な自分勝手ですね。私は好きです。」
 トラヴィアは穏やかに微笑んで、そう断言する。好きです。その単語が見事にニードの急所を貫き、彼を戸惑わせた。
「なに言ってやがんだ! だっ、だいたいおまえ、敬語がいちいちきもいんだよ!」
 その心情の乱れは彼に全く脈略のないことを言わせる。トラヴィアはここにきて素直に戸惑い、「…でも、他に話し方が分からないので…」と、語尾を濁す。
「フツーに話せばいいだろ、フツーに! そんなに年も違わないんだからさ!」
「……え、ええと……」
「オレみたいに話してみろよ!」
「ええ……っ?」
 トラヴィアが明らかに困って眉を下げる。その困った様子にさらにニードが困り、次なる言葉を捜して思考を巡らせていると、突如、トラヴィアが表情を引き締めて立ち上がった。
「トラヴィア…?」
 不思議そうに首を傾げるニードには、無言で、静かにするようにと促す。トラヴィアは真剣な表情で周囲を見回した。
「何かの気配がします。こちらに近付いてくる。」
 トラヴィアが小声でそう囁くと、ニードも耳を済ませて神経を研ぎ澄ませた。トラヴィアの感じる気配は土砂の壁の向こうにあるようだった。それは次第に存在感を増し、そしてそれは大勢の立てる、金属音の混じった足音へと変化する。壁の向こうから聞こえる。
「! これは…」
 それを耳にしたのか、ニードも立ち上がって土砂の向こうへと身体を向けた。数は多いものの、全体として非常に統率の取れた――まるでどこぞの軍隊が立てるような足音はどんどん大きくなり、そしてそれほど遠くはない位置で止まった。
「知っているのですか?」
 トラヴィアは尋ねる。ニードは首を振ったが、どこか希望の見える表情をしていた。
 壁の向こうから呼び声がかかる。それは戦いを知る屈強な男戦士のものだった。
「おーい、誰かいるのかー?」









 予想外に長くなりました。私の文章って表現がくどいわ長いわテンポ悪いわで、長いの読むのはちょっときついですよね。
 書いていたら、さらに予想外なことに、ニードがかなり主人公に好意的になりました。
 実際、彼だけは他の村人のように、天使様と同じ名前とか、大地震起こしたのはこいつとか、そういったことで陰口言ったり冷たくあたったりはしてませんでしたよね。彼の場合はただの嫉妬でしたよね。
 だから、本当に、主人公が拾われたのがリッカではなかったら、ニードも主人公に優しかったのではないかと思うのです。まさによそものどうし。
 まあリッカじゃなかったら誰も拾ってくれなかったとは思いますけど!
 それから、もしも序盤でニードの意識が、嫉妬よりもリッカと仲良くなりたい!に向いていたら、ニードはそりゃもう主人公と仲良くするんじゃないでしょうか。
 2人で、村人の視線にも耐え抜いて、主人公を面倒見るぜ!みたいな。
 リッカもきっと、見ず知らずの主人公を拾ってることで村人から変な目で見られたりもしたでしょうし、そこで、ニードが、彼女を元気付けるわけですよ!
 主人公浮かばれませんね。
 だめだニードあほすぎる。でもそこが好き!

 主人公がニードと仲良くなるきっかけって、とにかくこのとうげの道道中につまってると思うんですよ。
 それを描きました。凄く満足です。
 トラヴィアは率直にものを言うので、奥手なニードにはちょっと付き合いづらいタイプでしょうね。だいたい「リッカとちがって」無表情でよーわからんし。
 こう、タイプとしては苦手な感じなんだけど、なんだかんだ仲良い!ってのに萌えます。ニードとトラヴィアはそんな感じです。
 ついでに言うとサンディとトラヴィアもそう。なんだかんだいって仲良いんですよね。

 うーん、次はトラヴィア→ニード→リッカな話を書きたいです。リッカが好き過ぎるニードが好き!
 で、それで満足したらその次は、ニード→トラヴィア→イザヤールになるのかな……。
 いやもう、本当に、ニードリッカとニー主とイザ主はお互いがお互いをおいしくしてくれるCP、コンビですね!萌えます!

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